ナナコは昔から踊りもすきだったね。この季節盆踊りの練習というのが、生まれた村にはあってね。みんなで、浴衣を着て自治会の役員さんちへ、夜いくんだね。帯にかっこよく、団扇なんかさしてね。おどったねー。直実節とか、チョットドラマチックなのがすきだったね。秩父音頭は目をつぶってもおどれるよ。 さて、ナナコ白昼夢は （目ざめたナナコ、たしか昨日と違う洋服をきている。裸のうえに、男もののパジャマの上だけフワリときているのだった。さすがに青くなるナナコ。テーブルはきれいにかたずけられ、モーニングコーヒーのいい匂いが。そして一枚の置き手紙が、「安心して。君は天国にはいってないから。コーヒをのんだら、海においで。一緒に朝飯の魚をつろう」
「さてさて なつの夜は ながいよー」 ナナコ ニャン。
