ある日風向きが変わる。

さっきナナコのお気に入りのレストランに行ったら、めずらしく、たくさん客がいて、そう、掃除がゆきとどいていたんだ。新しい店員もいた。店主?らしき人ガニコニコしていたんだ。よかった。風向きがかわったんだ。
 ところでここだけの話だけど、ナナコも是非風向きがかわって欲しいと思っている。だってー悲しいことばかりなんだもん。さらに上ぬりもある。ナナコは自然派。来るものはこばまず、去るものは追わず。君子危うきに近よらず、だ。欲もなくただ言われたまま動いているだけ。なのに時にこんなこともある。ある日。電話があり、「貴方の悲しみはあの方がこういうことをしたからなのよ」と教えてくれる。ナナコは知りたくもなかった。だって人を悪く思うのは苦手なんだ。真実が事実かも興味ない。どうしてその人がそういうことをしたのか、それもどうでもいい。ナナコは、陰で人の悪口はいわないし、ただ静かに暮らしたいだけなんだ。だから、この件も、今日で全て忘れる。だって残りの人生楽しく穏やかにに暮らしたいじゃない。  「なにをしてても  しなくても  たぼうです」  ナナコ  ニャン。