雪女の話をしよう

冬だけだからこんな話。あるところに雪女がすんでいた。一人ぼっちなので寂しくてしかたがなかった。赤んぼでもいればさみしくなかろうと、とにかく里におりてきた。運よく最初の家で泊めてもらえた。男はひとりものだったので、請われて夫婦になった。二人は仲好く暮らし子供もたくさんうまれた。やがて子供たちも嫁ぎ、老いて夫婦二人だけになった。夫が100歳で亡くなる時おんなはいった。「私、実は雪おんなだったの」  「しっていたよ。おれは実は雪男だし、この村はそういう村だったもの」  「よくある話  めったにない話  それだけ」  ナナコ  ニャン。